乳がんと闘うsmileyの買わない・捨てないお片づけ生活

令和元年、消費税も上がるというのに…あるものを使わなきゃもったいない‼ 乳がんと闘うスマイリーが、病気を機に、買わない・捨てないをポリシーに使いきる暮らしで体と心のデトックスをめざす、お片づけブログ☺ 

前開きの逆襲♻

こんにちは☀

乳がんの手術で、入院中のスマイリーです☺


おかげさまで手術も無事終わり、今は傷の治りを待っている所です。
ここまで、たくさんの応援をいただき、本当にありがとうございました。


手術前は、乳がんがわきのリンパに入っているらしいということで、切っちゃったら腕があがらなくなる‼そうしたら前開きの服しか着られないのに、かぶる服しか持ってない‼と大騒ぎしていたスマイリーです☺

前開きでもかっちりしたシャツはたくさんあるけど、そんなんじゃダメ。家で休むならゆったりした部屋着がほしいし、毎日放射線治療にも通うんだから、脱ぎ着しやすくて、でもちゃんとした服がないと~、と思っていました。
連休中にはそんな理由をつけて新しく服を買ったり、友達にそんな話をしてきれいな麻のブラウスをプレゼントしてもらっちゃったりもしました☀


ところが入院直前に、病院にもっていきたいものがあり、入院グッズはここにあるはず…と探して開けてみると、出てきたんです、過去の遺物が…。



私はマリメッコのデザインが大好きで、中でも、あの大きな花がデフォルメされたウニッコ柄の、白地に赤いシリーズが一番好きで、大きなトートバッグから小さなポーチまで、たくさん買い集めてお揃いにして持っていました。
ちょっとしたコレクションです。

持っていました、と過去形なのは、そのマリメッコ・ウニッコのコレクションを全部、去年の秋に学校のバザーに出してしまったからです。


大好きなマリメッコ
見ているだけでも好きなウニッコ柄のデザインでした。でも、好きなのに、最近は見ているだけでした。いつも手元において眺めているのに、手にとって使うことはない。
そんな時間が2年、3年と重なりました。

どうしても使えなかったのです。

それは、5年前の子宮がんの時に、辛い治療を少しでも楽しく乗りきろうと、この大好きでお気に入りでとっておきのマリメッコを、入院用に任命して、抗がん剤投与のたびに、持っていっていたからでした。


治療が終わり、元気になっても、そして何かと荷物を運んだりバッグの必要な場面があっても、なぜかマリメッコのバッグが使われることはありませんでした。同じような大きさのかばんが必要なときは、雑誌の付録として売っている、なんの変哲もないトートバッグを別に買って使ったりしていました。

どうしてマリメッコに手が出ないのか、長い間考えることもなく理由もわからなかったのですが、同じようにお気に入りで職場で使っていたマグカップをそのまま入院用に持っていった所、仕事に復帰するという時になってそのカップをもう使いたくない自分に気づいた時、その意味がわかりました。


今では、抗がん剤治療は受けて良かったと思っているし、副作用で何がどう辛かったのかも思い出せないほどですが、あの時の、がんにまつわるすべてがいやだった、重苦しい気持ちだけは覚えています。

当時は、子宮がんになった自分、手術だけでは済まなくて、抗がん剤も打たなければならなくなった自分の病状自体が、受け入れ難いものでした。

あの一連の、何とも言えない、抗がん剤の治療をしていた時期の空気、風景、自分の心持ち…、そんな形のないものが、マリメッコの赤い花柄のバッグやストロベリーブルーのマグカップに、ネガティブな記憶として残ってしまったのでしょう。


抗がん剤の副作用で吐き気があることは割と知られていると思いますが、治療を重ねた最後の方では、病院に行き、いつもの病室に着いただけで吐き気を感じるようになり、私は薬剤師さんに言いました。「どうも、抗がん剤でムカムカしてるんじゃなくて、ここに来たことで、条件反射的に気持ち悪くなってるような気がするんです」。薬剤師さんはなぜか、よくぞ言ってくれました、という感じで、‘’あるよ‘’(キムタクのHEROのオジサン風に)とばかりに、頭の神経に効く方の吐き気どめを出してくれました。
吐き気どめの効果は同じでも、胃腸系と神経系ではお薬の作用の仕方が違うのだそうです。ちょっとしたことでも言ってみるものですね。

この時期に、私のおともをして私を支えてくれていたのが、マリメッコのバッグであり、ウエッジウッドのマグカップでした。どちらも本当に大好きなものです。


がんになったこと自体、なかったことにしたかった私のために、マリメッコもマグカップも、私の辛い記憶を引き受けてくれたのでしょう。
カップだけはその後、なんとか再び職場に持っていき、使えるようになりましたが、マリメッコの出番はついぞ来なかったのでした。


バザー係の先生は、マリメッコ出しちゃっていいの?と聞いてくれましたが、経緯を話すと、私の手放したいという思いをわかってくれました。



こんな風にして自分の中で忘れようとして封じ込めていたものが、今回入院グッズを出してみたら、まだまだ他にも、あらわれてきたのです。

自宅療養中部屋着として着ていた、三重ガーゼの長いネグリジェパジャマ(奇しくも前開きでした❗)。
足首を冷やしてはいけないと、重ねばきしていた冷えとり靴下。
外にははいていけないけれど、ジーンズよりは楽に過ごせるスパッツ⁉レギンス⁉のようなものもありました。

いずれも、前の子宮がんの時に、療養のためにと思ってわざわざ買ったものです。

もう、全部なくなったと思っていたのに、すべて残っていました。


あたりまえのことですが、さようならしたマリメッコのように自分で行き先を決めてあげなければ、ものはいつまでもそこにあるのですね。


前開きの部屋着も、冷えとり靴下も、今の私には必要なもの。一番、見つかって良かったものだと思います。


ですが…。

もう一度、気持ちよく使えるのかどうか、退院後、自分がどんな心境になるのか、そして将来、この経験を自分がどう感じるのかも、今はまだわかりません。

ですが、このタイミングで現れてきたということは、ものはものなりに、出番を待っていたのでしょう。
もう一度使われよう、役に立とう、もっと言えば、持ち主の私を癒してあげようと思っているのかもしれません。


こんなにひどいご主人様ですが、退院したら、とにかく一度はガーゼの部屋着を着てみようと思います。冷えとり靴下もはいてみます。


そしていつかまた、マリメッコのお店をワクワクとのぞく自分に出会えたらいいなと思っています。