乳がんと闘うsmileyの買わない・捨てないお片づけ生活

令和元年、消費税も上がるというのに…あるものを使わなきゃもったいない‼ 乳がんと闘うスマイリーが、病気を機に、買わない・捨てないをポリシーに使いきる暮らしで体と心のデトックスをめざす、お片づけブログ☺ 

絵本を届ける運動📕

こんにちは☀


乳がんの手術をして、ただいま抗がん剤中のスマイリーです☺



抗がん剤は3週間毎のクールを全部で8回予定していますが、1回目の投与で赤いエルビシンがうまく入らなかったこともあり、2回目を打つ前に、右鎖骨下辺りに、静脈に留置するポート~リザーバーを入れることになりました。



全身麻酔でもなく簡単な手術ですが、週明け月曜に入院してその午後にも埋め込み手術、一泊して翌日退院、その次の日に改めて2回目の抗がん剤投与というスケジュールです。



当初の予定通りなら今頃は、副作用でまた食べられなくなるはずの所を、抗がん剤が1週間延びたことで体も楽になり、味覚もだいぶ戻って来ているので、体力をつけるためにも、食べられるうちにとがんばって食べるようにしている所です。



また、この病気でお休みをいただく間、がんのことばかり考えて過ごすのではなく、普段しようと思いながらなかなかできずにきたことに少しでも向き合おうと思いながら、結局抗がん剤の副作用や発熱での苦しさに、1クール目の間は何もできませんでした。そこで、体調の良い間に今、何かできることはないかなと思い、今日は絵本と翻訳シールをひっぱり出してみました。




10年くらい前、図書館で借りた『ボランティアをしてみませんか』という本で、私はシャンティ国際ボランティア会(SVA)の『絵本を届ける運動』に出会いました。


この団体は、カンボジアラオスの教育と文化を下支えするために、現地で学校を建てたり、図書館を作ったりしている国際NPOで、特にカンボジアにおいては、かつてのポル・ポト政権時代に焚書によって失われたクメール語の復活と継承をめざし、焼失を免れた書籍を探し出して印刷・発行するなど、自国の言語と文字を、その国の人が受け継いで行けるように心を砕き活動している団体です。


このSVA が、特に大切にしている活動に、現地での図書館事業があります。


移動図書館を運営したり、教員、図書館員に向けた研修会の開催など、色々な事業をしていますが、その根本を担うのが、ボランティアが一頁一頁、訳語のシールを貼って作る、クメール語の絵本なのです。


当時の政権により、15才以上の‘’大人‘’が虐殺され、自国語のクメール語で書かれた書物が焼かれ、その地獄のような時代が終わってからも、カンボジアが立ち直るのには長い時間を要しました。


文字を、言葉を、そして世界のあるべき姿を教えてくれる‘’大人‘’がいないのです。


そして、国の文化を支えるのは教育だと、その教育の根本は自国の文字と言語を知ることだと、この団体は考えているのです。絵本の力を信じている、といった記述もありました。


子どもたちの識字率を上げるために、そして、絵本を通じて外の世界を知り、未来を切り開いてほしいと、この団体では絵本を配布することにしたのです。


それは元は日本で発行された、日本語の絵本ですが、その文章に相当するクメール語の翻訳シールを別に作り、それを切り抜いて上から貼りつけることで、クメール語の絵本にすることができるのです。

そして、このシールを切り抜いて貼る活動こそが、私たちボランティアが取り組む『絵本を届ける運動』なのです。


最初、この活動を知った時は、絵本が好きな自分には、ぴったりの内容だと思いました。それまでも、書き損じ葉書を送ったり、使用済み切手を集めたり、そんなことはしていましたが、自分から活動団体に連絡をとって、キットを買ってまで取り組むのは初めてでした。


また、カンボジアという国についても思うところがありました。


ポル・ポト政権の非道な大量虐殺の歴史や焚書の事実こそ、それまでは知りませんでしたが、幼稚園の時に、先生がこの国の困難さについてしてくれたお話が大変印象に残っており、たぶん世界のニュースレベルの難しい話だったと思いますが、先生が熱心に幼稚園児にもきちんと伝えてれたおかげで、子ども心にも、‘’カンボジアは貧しくてかわいそうな国、世界が助けてあげないといけない国なんだ‘’というような理解となり、それが心の片隅に残っていたのです。


ポル・ポト政権は1975年からなので、1967年生まれの自分が幼稚園で聞いたと考えるとちょっと時間が合わないのですが、幼稚園時代から一緒だった友達が、長じてカンボジアにボランティアに行っている、と聞いた時、あの時の先生のお話に影響を受けたんだな、とすぐに思ったことを覚えています。



そんなこともあり、『絵本を届ける運動』に参加し、絵本セットとその翻訳シールを買って、できあがったらカンボジアに贈るべく、一頁ずつ切っては貼りつけることをしていたのですが、あんなにはりきって始めたのに、いつからかやらなくなってしまっていたスマイリーでした。


絵本は今日まで完成に至らず、部屋の隅で、そのままになっていたのを、ようやくひっぱり出してみたのです。


開いて見ると既に、『ヘビのクリクターくん』と『いろいろへんないろのはじまり』は出来上がっており、後はエッツの名作『もりのなか』が、一頁やっただけで中途半端になっていました。


忙しくなったのか、興味がなくなったのか、はたまた体調のせいか…、下手をすると10年以上放置してしまった絵本ですが、取りかかってみると、あっという間に仕上げることができました。


翻訳シールは、シール台紙にクメール語の訳語が一頁分ずつまとまって印刷されており、そのまわりには切り抜きのためのガイド線がついていて、一つひとつが吹き出しみたいになっています。ガイドの黒い線は残さないように切らなければなりませんが、上は角を丸く切り、下は角を斜めにカットする形に統一されており、切り抜いた後、全く読めないクメール語の羅列でも、上下をまちがえずに貼ることができるような工夫もされています。


絵本とシールを購入(プレゼント)する代金はかかりますが、シールを切って貼る作業自体は、子どもも大人もできる簡単なものです。


今回改めてやってみて、この活動がもっともっと広がればいいなと思いました。そして、訪問学級で知り合ったお子さんに、こんな活動があるんだけど、と、退院する彼女にこの絵本とシールを2冊ばかり託したことを思い出しました。


病気での入院中も、いつも他の子の面倒を見て、前向きに過ごしている子でした。病気の時でも、してもらうばかりではなく、誰かのために何かできるんだよ、ということを知らせたくてお願いした絵本作りでしたが、思った通り、彼女は目を輝かせて、やってみます!と言ってくれました。たぶん、10年も置いてしまった私の絵本よりよほど早くに完成させて、本部に届いていることでしょう。



今回は、自分が中途半端にしていたことの、いわば‘’お片づけ‘’として取り組みましたが、元気になったら、そして、身の回りの色々なことに片がついたら、また、ぜひやってみたいと思える『絵本を届ける運動』でした。


もしも、興味のある方、やってみたいと思われる方は、『シャンティ国際ボランティア会』か『絵本を届ける運動』で検索してみて下さい。


私もとりあえず、この10年越しの絵本を、本部に送り届けたいと思います。