美味しいもののお取り寄せ
こんにちは☀
春に乳がんが見つかり、ただ今絶賛治療中のスマイリーです☺
今回の抗がん剤で、何と7回目の投与が終了し、残すところあと1回となりました。
後半の薬剤は、前半のものに比べてやや吐き気などの副作用は少なく、「食べられない」という気がしないのが良かったのですが、なぜか味覚障害の方がきつく、口にしてから、こんな味じゃない…とか、甘すぎる…とか、塩味が感じられない…ということが多くありました。
自分で料理していても、思うような味にならないので、もっと塩や醤油を足したい、などと言っては、家族にとめられたりもしました。
母も、弟も、充分美味しいと言ってくれるのですが、自分だけが味がしない、甘ったらしく感じる、などで美味しさが感じられず、食べたいのに食べられない、というもどかしさがあるのです。
その結果。
なんとAmazonで、夜な夜な『美味しいお取り寄せ』などというワードで検索したりしているのです。
Amazonは、本を買うだけの所じゃないんですね。
最初のお取り寄せは、タイムセールになっていたズワイ蟹のカニしゃぶでした。
お刺身でも食べられるレベルとのこと、北海道にいるのにわざわざAmazonからお取り寄せなんて、と思いましたが、届いてみると紋別からのお品もの。
な~んだ、そういうことになってるのね。
指示書に従って、上手に溶かして、しゃぶしゃぶで美味しくいただきました。
これに味をシメたという訳でもないのですが、食べたいものを思いついたり、スーパーで手に入らなかったものがあったりすると、検索してはお取り寄せしてるスマイリーなのです。
カニの後は、タイのマリーというオレンジ・ジュース、以前にも買って、ホテルの朝食に出るような美味しさが気に入っていたのですが、こちらは残念、甘味を強く感じすぎる今の自分の舌には合いませんでした。
ならば淡白なものをと、秋の味覚の甘栗をスーパーで探すも、ついこの間まで見かけたはずの甘栗がどうしても店頭で見つからず、こちらもAmazonで『石井の甘栗』という、こだわりのお品をゲット。
さすがに甘いとか塩味がしないなどという不服もあるはずもなく、また、本当に良い栗で、美味しくいただきました。
世の中の人は、みんなこうして、美味しいものをお取り寄せして、おうちで食べているのでしょうか?
これは、豊かな楽しみと言えるかもしれませんね。
今はうちでも、きっかけは抗がん剤の副作用からの味覚障害対策ではありましたが、買わない・捨てない生活とはいえ、
‘’食べて消費するものは買って良い‘’という暗黙のルールが、他の物を買わない反動からか、
‘’美味しければ多少の贅沢をするも良い‘’、という方針に勝手に変わってきているようなのです。
抗がん剤で食べられない自分に、ずいぶん長く家族をつきあわせていたことの、罪滅ぼしでもあります。
明日は宮城は仙台の阿部蒲鉾店さんから、笹かまを届けていただくことになっています。
これは、生前父が、珍しく、本当に珍しく、本州旅行を企画してくれて、当時、祖母はもういませんでしたが、少し体の弱ってきていた祖父も連れて家族一同での最後の旅行ということで、秋保温泉の『佐勘』、松島の『一の坊』と贅沢な旅館を巡る中で、笹かまの阿部蒲鉾さんのお店に寄ったことがあったのでした。
それまでにも、笹かまはもちろん食べたことはありましたが、本場の笹かまは、旅行の楽しさもあったのかもしれませんが、本当に本当に美味しかった。
私はその場で、職場の方へのお土産として、かわいい魚の絵のついた紙袋に入った詰め合わせを、一人にひとつずつ配れるように買いました。自宅用や御近所用にも買いました。
滅多に家族旅行などしない我が家では、いつもお土産をいただくばかりだったのです。
この笹かまの詰め合わせは、皆さんにも大好評でした。
あれから何年、経ったのでしょうか。
今回、ふと笹かまを食べたいと思って検索していた所、『美味しい笹かま四選』という記事に出会い、その中にこの阿部蒲鉾店の紹介があり、既になんというお店だったのか、名前さえも忘れていたのに、阿部蒲鉾店という文字面を見た途端、あっ、ここだ!と閃くと共に、あの楽しかった旅行と、まだ家族が元気でいてくれた頃のこと、そして美味しかった笹かまの味までが、よみがえったのでした。
まだまだ味覚の方は、自分の舌が信じられない状態ですが、明日届く笹かまには、思い出をふりかけて、美味しくいただきたいと思います。