乳がんと闘うsmileyの買わない・捨てないお片づけ生活

令和元年、消費税も上がるというのに…あるものを使わなきゃもったいない‼ 乳がんと闘うスマイリーが、病気を機に、買わない・捨てないをポリシーに使いきる暮らしで体と心のデトックスをめざす、お片づけブログ☺ 

抗がん剤5回目~☀

こんにちは☀


春に乳がんが見つかり、ただいま絶賛治療中のスマイリーです☺


もともとは5年前に子宮がんで手術- 抗がん剤という流れで治療して、そちらの経過は順調でした。

仕事にも復帰し、近間ではありますが転勤もして2年という所で、子宮がんのフォローのMRI造影検査で見つかりました。


年度末という時期的にも微妙な時でしたが、4月の本当に頭から通院・再検査などを優先させてもらい、5月の連休明けの手術を機に病休取得、今年度の仕事はたった1ヶ月でリタイアして現在に至ります。


手術では左乳房の全摘も視野に入れていたものの温存することができ、代わりと言うわけではありませんがわきのリンパに入っていたことから、予定していた放射線での治療を後回しにして、6月から抗がん剤を始めました。


FEC療法4回、 DTX[ドキタキセル]4回の計8回の予定は、途中、抗がん剤を入れるためのポート埋め込みやそれに伴う医学的気胸とその処置などで遠回りをしながらも、今回ようやく後半戦の5回目を無事受けてくることができたのでした。


前回はまだ、FEC 療法で赤色の点滴が見た目からして苦手なエピルビシンを打つ際に、予期不安という、まだ抗がん剤を体に入れていないにも拘わらず、それまでの経験や嫌悪感から悪心や吐き気がしてしまうという症状に見舞われましたが、今回はそういった神経的な作用に効くお薬を前日から服用しての抗がん剤投与となりました。


どうやら今回は、吐き気はあまりないらしい。


「今度のお薬は、吐き気は今までに比べると楽になりますよ~」という看護士さんの言葉に誘発されてその時は吐いてしまったというのも皮肉な話ですが、総合すると、吐き気は楽になるが、倦怠感などは今までより強くなる。そして、手足の末端に薬剤がたまり、爪に色素が沈着したり、ひどい人は爪がはがれたりすることもある、というのが今回からの抗がん剤の副作用についての概要でした。


爪の保護のために当日は保冷剤を持参して、握ったり指の上に置いたりして対策しました。


冷やしてわざと血行を悪くして、薬剤がそこまで届かないようにする作戦です。


昔はアイスグローブなどを病院でも用意して、がっちりやっていた時代もあったらしいのですが、アメリカで凍傷になる患者が出たことから医療機関では廃止され、今は患者個人が持ち込んで‘’自己責任‘’で行う処置となっているようです。


おかげで爪の方も、紫色になってはいますがぐらついたりはがれそうになることもなく、また、いくぶんかですが吐き気も押さえられていたように思います。


やはり吐き気がひどくない、というのは体も気持ちも楽なもので、前に子宮がんの抗がん剤の際にもらっていたデカドロンというステロイド系の制吐剤が今回も出たのですが、それが体に合っているのか、はたまた、DTX [ドキタキセル]というこのアルコール系の抗がん剤が、前の4回の薬剤に比べて自分に合っているのか、投与後は比較的楽でした。


抗がん剤はアルコールがベースになっているものも多く、検査の結果、「あなたはお父さんからも、お母さんからもこの抗がん剤が効く遺伝子を受け継いでいるよ、おめでとう!」と子宮がんで抗がん剤となった時にも言われたのでした。


今回からは、案外、楽勝かも…。


少しだけ、そんなことも考えた投与後の数日間でした。


ですが、(とありがちな展開ですが、) 何かが違うのです。


もちろん薬剤が違うので当たり前なのですが、何とか以前の経験に寄せて、大丈夫だったあのお薬と似た感じ、と思い込みたかった自分でしたが、やっぱりそうはいかなかったかなというのが今の正直な感想です。


倦怠感というのはなかなか意識できないものですが、どうも体を動かすのが億劫で、毎日お昼に楽しみにしていた『徹子の部屋』や『やすらぎの郷』なんていうテレビ番組も、そこまで楽しめないのです。


これまで、自室で休んでいたり寝ていても、時間には起きてテレビの前に座っていたのが、見なければ見ないでもいいかな、という積極的になれないこの感じは、最初は意欲の減退という気もして、少し鬱がかって来たのではないかと自分ごとながら心配した兆候だったのですが、たぶんこれが倦怠感というヤツの正体なのでしょう。


味覚の変化も相変わらずです。


いえ、もしかすると味覚の問題が、今回の副作用で一番やっかいなものかもしれません。



抗がん剤投与の次の日は、母の脳MRIの検査日でした。


さすがに次の日ということで、朝の送迎も付き添いもできなかったのですが、自分がお昼に起きて一段落した時、ああ、検査も終わる頃かなぁ、帰りの方がしんどいかもしれない、と思って迎えに出てみることにしました。


街中の、神の手で有名な脳外科医の先生が率いていたチームのある病院です。



タイミングも良かったのか、うまく母をピックアップしたその帰り、何か食べて帰ろうと寄ったのは地元でも最近はなくなってきている‘’元祖‘’の味を守っているラーメン屋さんでした。


他にもあちこち寄ったり営業時間を調べてみたりしてはフラれ、最後に立ち寄ったのは3時過ぎでした。


そのラーメン屋さんも暖簾を降ろしているのを外から見て、残念残念と帰ろうとした時に、「良いですよ~」と呼び止められ、入れてもらったのです。


この『特一番』は地元では有名なラーメンのチェーン店ですが、店名は同じでも、一軒一軒が自分の店の味を出しており、ここは中でも、昔ながらの味を伝える老舗店です。


近くのおもちゃ屋さんに教材の調達に来た際に偶然寄って以来のファンですが、家から遠いので、ほんの何回かしか寄っていないというのに、お店のおばちゃんは私の顔を覚えていてくれました。


忙しい昼時の営業を終え、3時で一旦休憩に入る所を、帰ろうとしていた私たちをわざわざ呼び止めて、入れてくれたのでした。


母は味噌野菜、私は大盛り醤油にワカメとメンマをトッピング、チャーシューは抜いてもらうという、思いきりお好みのオリジナルです。


「一番良い所に来れたね。」などと言いながら食べ始めました。


しかし、しかし、しかしです。


大好きなはずのラーメンが、最後には「大盛りキツかったな~」という結果に終わってしまいました。


ジャンボラーメンなるものに挑戦して、食べ終わってから「いや~食べたね、コレ二人前入ってんのよ」と言われたことのある私は、大盛りが、ましてやラーメンでは多いなんてことは絶対ないのですが、



いつもの味じゃないのです。



若い頃よく赤門で注文してた時みたいに、硬め、塩っぱめって言えばよかったかな?と思うほどの物足りなさは、この時にはまだわかっていませんでしたが、実はお店の味の問題ではなく、自分の味覚が変わっていたからだったのでした。



この味のしなさ加減は、食欲をそぎました。


何を食べても、味がしないのです。


といって、塩や醤油を足すと、苦味が増幅されて感じられ、コレまたつらい。


甘味が強くなるのもかわらずで、今は、歯磨きで口に含む水さえも甘く感じて閉口気味です。



自分の味覚が信じられなく、それなのに、今、自分が感じている味だけはリアルに感じるそんな中、ふと気がつくと、何だか最近、家族もあまり美味しくご飯を食べていないのでした。



何を食べてもしっくりこない顔をしている、髪のないがん患者が一人います。

今回の抗がん剤は脱毛も強く、眉毛がなくなってきて、表情もよくありません。


弟の仕事の終わりを待って、夜はなるべく一緒に食べている3人ですが、最近の食卓は楽しさがありませんでした。


そして、免疫が落ちている私は生ものが食べられないので、家族にも我慢させていました。


母は、猫と言われるほどお魚が好きで、お寿司にも目がありません。


外食もほとんどしない我が家で、ささやかな楽しみとしてお寿司をとることもあったのに、思えば、お盆に祖父の法事らしきお食事会を近所のお寿司屋さんでして以来、うちではお寿司にありつくチャンスがありませんでした。


「お寿司でも、とる?」と聞かれても私が「生はダメなんだって」と言って断るので、その度に延期になってきたのです。



夕方、いつものお寿司屋さんは、増税前の忙しい時だというのに、うちのお好み寿司の出前を快く引き受けてくれました。


ウニや貝が好きな母には、上生を二人前。

好きキライの激しい弟は、イクラとエビとマグロのみ。



「それでですね、生が今、食べられないんですが、炙りネタとかどうですかね?」と自分のお好みも何とか入れようとした私に、板前のお兄さんは言いました。


「炙りとはいっても、焼くわけじゃなくて、ほんとに表面炙るだけですからね」

「生がだめと言うんなら、やめておいた方がいい」



そうですよね。


生もの禁止の免疫抑制中の自分なのです。


私ががんで、抗がん剤をしていることも、みんなちゃんと知っているのです。


色々我慢していることも、日々、がんばっていることも…。


でも、家族は好きなものを食べて良いのです。


そして、吐き気がするとか味がしないとか言って、せっかくの食事を台なしにする権利も私にはないのでした。




消費増税前、何を買うかが話題になっていましたが、そんな訳で、うちでは駆け込み?でお寿司を奢りました。


久しぶりのお寿司は美味しかったようです。


増税しても、しなくても、たまのこんな楽しみをなくしてはいけないですね。


そして、自分も免疫が上がって‘’炙りネタ‘’を食べられる日が来ることを、楽しみに待ちたいと思います。